「直、大丈夫?今日から女の教育実習の先生が来てるんでしょ?」




ゆかりの心配をしていたのに、逆に心配されてしまう。




「う~ん。大丈夫って言いたいけど、正直やっぱり考えちゃうね。バカだなって思うんだけど」




「結婚しても気になるものは気になるよ。先生がかっこいいからいけないんだよ!!いっぱい食べさせて、メタボにしちゃえば?」





口いっぱいにパスタを頬張ったゆかりは、先生の太った姿を想像したのか、笑い出した。



「今日、歓迎会だからちょっと心配。でも、先生は絶対に壁を作ってくれてるはずだから」




ゆかりの為にって今日の夕食を思いついたけど、実は今夜一人で家にいるのが怖かったのかも知れない。



先生と教育実習生のこと考えてしまうから。



見てもいないのに、想像しちゃって、先生とその子が仲良く話している姿がリアルに浮かんでくる。


私の悪い癖。



「今日は、ゆかりに会えて良かった。一人で家にいると余計なこと考えちゃうから」



ゆかりは、そういう時はいつでも呼んでよ~って頬をふくらませた。