先に仕掛けてきたのはタケシだった…。

素早い踏み込み…渾身の右ストレートが俺の顔面目掛けて飛んで来た…。

速い!!

何とか躱したが風切り音で解る…。

速いだけじゃなく重い…。

タケシは間髪いれずにボディブローを入れてきた…。

「っく!!」

何とかガードしたが腕ごと後ろに少し吹っ飛ばされた。

そして体制が崩れて居る所に上段蹴りをモロに食らって倒れてしまった…。

「何だこんなもんか??手加減してんじゃねぇよ!!本気で来い!!」

タケシが少し怒った表情で俺を見下ろしている…。

確かに油断はあった…。

最初は様子を見ようと後手に回ったが…間違いだった。

長く本気のケンカをしてなかったから忘れてたよ…。

ここはジャッジタウン…。

遠慮何て始めからいらなかったんだ…。

気が付いたら俺は笑っていた…。

それはもう傍目でみたら頭打っておかしくなったみたいに…。

この状況の中…ハヤトの心情を理解していたのはタケシだけだった…。

「やっと目が覚めたか…そうだ!!ここはジャッジタウン！お前が気にすることは何もない…楽しいケンカを始めようぜ!!」

「上等だ!!ぶっ殺してやるよ」

二人同時に踏み出した俺とタケシの拳が交互に顔面を捕らえた…。