此処は、今どき珍しい、綺麗な日本家屋の一室…。
「覚悟は出来ているのか?」
高級な着物を丁寧に着込んだ老人が、まだあどけない顔つきをしている青年に話かけていた。
「はい…私にはなすべき事があります。その為ならばこの命…惜しくはありません」
青年もまた、綺麗な着物を着こなし、正座をしながら言葉を返す。
「お前が相手にしようとしているのは、この国の頂点…つまりは、国家と同等の力を持った相手と、闘わなくてはいけないんだぞ…それでもやるのか?」
「はい…私は元より死人も同然。何も臆する事は御座いません…」
青年は言う…自分は死人だと。
「そうか…ならばもう何も言うまい。お前の好きにするがいい…」
老人はそう言うと眼を瞑り、瞑想を始めた…。
「はい…今まで大変、御世話になりました」
青年は、静かに瞑想にふけっている老人に向かって頭を下げた。男にしては長い髪の毛が、畳に着くぐらいに。
しばらくそうやって、頭を下げていた青年が、静かに立ち上がる。そして、部屋から退席しようとした。
すると、老人が瞑っていた眼をゆっくりと開け、青年の背中に向かって声をかけた。
「…死ぬなよ……ジン」
「……ありがとうございます」
そして青年…ジンは、静かに退席して行った。胸に秘めた決意と一緒に…。
不良の法律~Judge Town~続編
『神への挑戦』
予告の第二弾です。
2009年12月18日
「覚悟は出来ているのか?」
高級な着物を丁寧に着込んだ老人が、まだあどけない顔つきをしている青年に話かけていた。
「はい…私にはなすべき事があります。その為ならばこの命…惜しくはありません」
青年もまた、綺麗な着物を着こなし、正座をしながら言葉を返す。
「お前が相手にしようとしているのは、この国の頂点…つまりは、国家と同等の力を持った相手と、闘わなくてはいけないんだぞ…それでもやるのか?」
「はい…私は元より死人も同然。何も臆する事は御座いません…」
青年は言う…自分は死人だと。
「そうか…ならばもう何も言うまい。お前の好きにするがいい…」
老人はそう言うと眼を瞑り、瞑想を始めた…。
「はい…今まで大変、御世話になりました」
青年は、静かに瞑想にふけっている老人に向かって頭を下げた。男にしては長い髪の毛が、畳に着くぐらいに。
しばらくそうやって、頭を下げていた青年が、静かに立ち上がる。そして、部屋から退席しようとした。
すると、老人が瞑っていた眼をゆっくりと開け、青年の背中に向かって声をかけた。
「…死ぬなよ……ジン」
「……ありがとうございます」
そして青年…ジンは、静かに退席して行った。胸に秘めた決意と一緒に…。
不良の法律~Judge Town~続編
『神への挑戦』
予告の第二弾です。
2009年12月18日