「ぐわっ!てめぇ加賀!!卑怯だぞ!!!」

トウマは目をこすりながら、砂を取ろうとするが、視界は悪くなる一方だった。

「ふん。ケンカにルールなんかあるかよ!おい!こうなったら乱闘だ!全員来い!!」

加賀は取り巻きに号令を出すと、待ってましたと言わんばかりに、トウマににじり寄った。

「苦戦してんじゃねぇよ加賀。こんな奴によ…」

ニヤニヤしながら歩み寄る三中の連中。どうやら隠れていた奴も居たらしく、合計10人ぐらいの人数がいる。

その人数を見たトウマの取り巻きは完全に後ずさっていた。

「くそ…目が見えねぇ」

そんな中トウマは、周りの様子を見る事ができなく、かなり焦っていた。

「下がっていろトウマ…後は俺がやる」

そんな中トウマの耳に神の声が聞こえてきた。

「えっ…誰だ?」

当然目が見えないトウマは誰なのかは解らない。

「俺だ…ハヤトだ」

「そうか…ハヤト!?」

勢いよく顔をあげたトウマは、かすかに見える人影に向かって話しかけた。

「あぁそうだ、良いから俺にまかせろ…ドラゴン!トウマを頼む!」