「出来れば一緒に帰りたいんだがな…まぁヒサジにも事情があるだろうから、俺は先に変える事にするよ。じゃあ町に帰ってきたら連絡をくれよ、これが俺の携帯の電話番号だから」

カズヤはそう言うと、身近にあった紙に電話番号を書き、俺に手渡してきた。俺はその紙を受け取った後、軽くカズヤや居間に居たサクラさんに挨拶をしてドラゴン達の家を後にした…。

帰りは、ドラゴンが用意していたらしい車に乗り込んだ俺だが、後部座席に乗っていた人物を見て、俺は声をあげた。

「…なんでハヤトが此処に居るんだ？」

車にはハヤトが乗っており、運転席にはミツハルさんが乗っていた。

「まぁ色々あってな。俺もこれから家に帰るところだから、一緒に帰ろうぜヒサジ」

何でハヤトが高校生地区に居るかは解らないが、家に帰るという目的が一緒である以上、俺に断る理由はなかったので、俺はハヤトと一緒に家に帰った…。









「銀二さん、ご報告があります…例の件についての報告なんですが。」

先ほどまでハヤトが居た部屋に銀二と前田さん…そして、スーツを着た青年とも言える年代のある男がそこには居た…。

「いつも悪いなラン！調査が速くて俺も助かるぜ…」

銀二は、そう言うとランと呼んだ青年に人懐っこい笑顔で答えていた。

「いえ…報告といっても、対した成果は無いんですがね。中学生地区に居るジンとゲンについてなんですが…何も解りませんでした。出身や生年月日…言ってしまえば本当の名前すら解りませんでした。」

どうやらランと呼ばれている青年はジンとゲンについての調査をしていたようだ。

「なるほどなぁ…お前が調べても、何も情報が出てこないか。…なぁオヤジ…これってもしかしてもしかするか？」