途端に部屋の電気の明るさに眩暈を感じた…。そんな中、二人の男女が俺の様子を伺っていた。

年は恐らく俺と変わらない…もしかしたら同い年の可能性もある。それぐらいこの二人は若い顔立ちをしていた。

「色々聞きたい事があるだろうが、俺達は何も答える事が出来ないから…その代り逃げ出さないのと、暴れないのを約束出来るなら手足の拘束を解いてやる。どうする?」

「…約束するよ」

ここで約束出来ないなんて言う奴は居ないだろ…。まぁ今のところ逃げ出すつもりもないけどな。どうせ出来ないだろうし…。

「解った…今、手足の拘束を解くよ」

男はそう言うと、俺の手足の拘束を解いてくれた。どうやらそんなに悪い人間ではないみたいだ…。

「それと、腹も減っただろう…サギリ、飯を用意してやってくれ。」

サギリと呼ばれた女性は、返事を返すと部屋の外に出て行った…。

「なぁ…立っていいか?」

フローリングでずっと寝ていた俺は、体の節々がかなり痛い…立って背筋を伸ばしたい気分だ。

「お好きにどうぞ。それと、携帯電話はこちらで預からせてもらっているから…警察に連絡されても困るしな」

形的には俺は監禁されているんだ。いい気はしないが、まぁ仕方ないのだろうな。俺は、その場で立ち上がり、体を伸ばしながら部屋の様子を改めて確認した。

予想通りの6畳ぐらいの部屋で、窓はない。出入り口は一つで、内装はいたってシンプル…何もない部屋だ。

文字通り何もな…。

こうして俺の不思議な軟禁生活が始まった。