「そう…ですか。弟さんがあの町に居るんですか…あの不完全な町に」

「不完全な町?ですか?」

「そうです。あの町はこの日本にあってはならない不完全な町なんですよ…例えるならば、アメリカにあるスラム街を日本で再現している様な所です。法律なんて関係なく、ただ今を楽に生きたいと願う子供達が住んでいる町…不良にとってはネバーランドに近い場所ですよ」

これで一つはっきりした…月島さんは、ジャッジタウンについてかなりの情報を持っていると言う事が。

でも子供達のネバーランドって…

「子供達だけ…ですか?大人は住んでいないんですか?」

町とは人が住んでいる場所を、定義しているだけの言葉にしかすぎない。なのに、月島さんの言い方を聞く限りでは、ジャッジタウンんには大人の存在がいない様な口ぶりだ…。

「大人が住んでいないと言えば嘘になりますね。でも、未成年の子供達が多く暮らしている町ではあります。それでは話を聞きましょうか、カズヤ君はジャッジタウンの何を知りたいんですか?」

月島さんは、適当に話を切り上げ俺に質問を促した…。ジャッジタウンの内状はそこまで興味がなかった俺は、俺が知りたかった情報を聞く事にしたんだ。

「はい…俺が知りたいのは、ジャッジタウンの正確な場所なんです。今まで独自で調べてきましたが、ジャッジタウンの情報は全然掴めていなくて…」

「ジャッジタウンの場所ですか…確かに私は、ジャッジタウンの場所を知っています。実際に見に行った事はないのですが、場所の特定は出来ています」

月島さんはジャッジタウンの場所を知っていた。これで俺は、わざわざ東京に行って、知らない奴に会わなくてすむ…でも月島さんの言い方には何か矛盾を感じるな。

行った事がないのに何で、ジャッジタウンの内状にこんな詳しいんだ?月島さんの口ぶりは、実際に見た事がある様な印象を受けるけど…。