「もうその話は辞めようぜ！せっかくの飲み会が駄目になっちまう。今日は朝まで飲もうぜマモル！」

これ以上マモルに気をつかわす訳にはいかないしな…。

俺は自分でヒサジの話を終わらし、飲みかけのビールに口をつけた。

「カズヤ…そうだな！よしっ！こうなったら一気飲みだな」

マモルはそう言うと新しいビールを二つ冷蔵庫から取り出した。

「残したら罰ゲームな！カズヤ君…異論はあるかね？」

「…ないよ。いっちょやるか！」

俺とカズヤはこの後酔いつぶれるまで酒を飲み続けたんだ…。

二人とも何かを忘れ様としているかの様にな…。






次の日、俺は軽い二日酔いに襲われていた。

昨日はさすがに飲み過ぎたな…マモルは早朝に用事があると言って帰って行ったので俺は今一人だ…。

さすがにマモルは場数が違うのか、朝起きてもいつも通りの様子で家に帰って行った。

あいつは化け物だな…。

今日のバイトは三時から家電量販店のアルバイトがあるので、早めにサヨの元に行こうと準備していた…すると。

ピンポーン…。

家のインターホンが鳴ったんだ…。

俺はマモルがなんか忘れ物したのかと思い、玄関の扉を開けた。

だが立っていたのはマモルではなく、見た事もない中年の男性が立っていたんだ。

「あの…どちら様ですか？」

俺は少し警戒しながら目の前の人に尋ねたんだ…。

すると目の前の人は笑顔で内ポケットから名刺を取り出すとこう答えた…。

「突然の訪問で済みません…私はケイタ君の顧問弁護士をさせてもらっている月島といいます」

この時をきっかけに歯車が動きだしたのだ…。

そう…これから起きる一連の事件の…。

賽は投げられたのだ。