俺は勢いあまって大声でマモルに怒鳴ってしまった…。

俺はサヨの為…ヒサジの為にも会わないといけないいんだ。

ここで引く訳にはいかない。

だがマモルも俺の剣幕に負けず、冷静な口調で理由を話しだした…。

「ジャッジタウンはとても危険な場所なんだ…あの町の住人はほとんどが暴力のエキスパート…二年生で高校の頭を張ってた俺でも全然歯が立たないんだぞ?俺がカズヤに教えて何かあったら…俺は罪悪感で耐えられなくなる。だからジャッジタウンの場所を教える訳にはいかないんだよ…すまんカズヤ」

マモルはそう言うと俺に向かって頭を下げてきた…。

そしてこの時俺は初めて気づいたんだ…。

マモルの体が小刻みに震えている事に。

「マモル…頭を上げてくれ。マモルが謝る事じゃないじゃないか…俺の方こそ無理言ってごめん」

マモル過去にジャッジタウンの住人だったと言っていた…だから解るのだろう。

どれだけジャッジタウンが危険な場所なのかを…。

だから俺の事を全力で止めたのだろう…俺の事を友達と思って。

「…悪いなカズヤ。でもヒサジは元気に生きていると思うぞ?だって高校生地区にいた俺の耳にも届くぐらいの有名人だからな。『鬼神ヒサジ』…まさに鬼の様にケンカが強い男だと聞いていた。一人で十人以上の人間を血祭りにあげた武勇伝があるぐらいだからな…」

ヒサジ…お前は何をやっているんだ?

昔からケンカで負けた事が無いのは知っていたが、そんなに強かったのかお前は…。

頼むから俺の知っているヒサジでいてくれよ?