二年の歳月を取り戻すかのように、二人は笑い合った。

多少のぎこちなさはあるものの、二人は心から笑い、本音で語り合っていた。

ドラゴンはそんな二人の様子を見て、静かに部屋から退席していった…兄弟水入らずの時間を邪魔したくなかったのだろう。

ヒサジとカズヤは、時間を忘れて雑談をわかわしていた。

「…ひとつ聞いていいかカズヤ?」

「なんだ?」

「どうしてカズヤがこの町に居るんだ?」

ずっと笑顔だったカズヤだが、ヒサジの発言で笑顔を消した…。

ヒサジも軽い口調ではなく、真剣な声音で聞いたからだ。

「ドラゴンの話じゃ、カズヤは最近この町に来たらしいじゃないか…こんな不良しかいない町にどうして来たんだ?それにどうして、ドラゴンの世話になっているんだ?ドラゴンはこの町の臨時マスターだ…どう考えても何か事件に巻き込まれて、かくまってもらっているようにしか見えない…」

基本的にこの町では、自分の身は自分で守らないといけない…なのにカズヤは、ドラゴンの家に居候している状態だ。

不測の事態に陥っているとしか思えないのだ…。

「…長い話になる。一度座ってからにしよう…」

ドアの前で立って話していた俺達だったが、カズヤに勧められ、テーブルに座った。

カズヤは一呼吸置いて話しだそうとすると、ドアをノックする音が聞こええきた…。