カズヤがこの家に居るのか…。

この時、ヒサジの身体には緊張が走っていた…。

久しぶりに会うのもあるが、やはりヒサジにはまだサヨを守れなかった罪悪感がある…。

カズヤにとって、サヨはたった一人の大切な妹…そんなサヨを守り切れなかったヒサジは、罪悪感で、身体が動かなかったのだ…。

そんなヒサジの様子をドラゴンは黙って見ていた…。

事情をある程度察していたのか、ドラゴンは何も言わず、黙ってヒサジを待っている…。

「…案内してくれドラゴン。カズヤの元に…」

「解った…まずは家に入ってくれ」

ヒサジはドラゴンの後に続き、家に入っていった…。

昔のヒサジなら逃げていたかもしれない…。

罪の意識に耐えられず、カズヤの顔を見る事すら出来なかっただろう…。

だが、ヒサジは覚悟を決めたのだ…。

ヒサジが心に決めた事…それは罪を背負う為の覚悟。

いつまでも逃げる訳にはいかない…。

俺は、サヨの為にも強くなるんだ。

今でも俺は…サヨが大好きだから。

ヒサジは昔の罪と改めて向き合う為に、一歩足を踏み出した…。