人数が人数なので、特別ルールの野球を始めた…。

まず一チーム100人という有り得ないチームを10組作り、トーナメント戦にする。

そして一チームから20人選抜して、一人一打席打って貰い、ヒットを打てば一点。二塁打で二点、三塁打で三点ホームランなら四点と、得点方式にし、勝負を競う。

ピッチャーも一打席だけしかマウンドに上がれないので、20人でローテーションを組んで投げて貰う。

言ってしまえば、完全に野球ではないのだ…。

だが単純なルールでないと、一日で試合が終わらないし、普通の野球をしても、まず試合にならない…。

そして優勝したチームには、高校生地区にあるbar『デュエル』の二時間飲み放題チケットを賞品にした。

何はともあれ野球はスタートして、俺と銀次は観戦に回ったんだ。

最初はヤル気がなかった不良達も、いざ始めてみると異常な盛り上がりをみせてくれた…。

ブルペン席では野次に近い声援で、怒鳴り散らしていたし、打席にいる奴等も声援に答えていた…。

一打席勝負なので、ピッチャーもバッターも、ケンカ前の緊張感に似た殺気だった雰囲気だ…ある意味スポーツマンシップに乗っ取っている。