「そんなに年上に見えるのか俺は…まぁ銀次さんに言われ慣れてるからいいけどよ。」

言われ慣れてる割には、少し凹んでいる様に見えるな…。

これまた意外だ…。

「そんな刺青を頭に入れてるからだろ…」

頭に入れてあるドラゴンの刺青が、この男の印象を強くしているのだ。

背も高く、ガタイが良くて、かなりのコワもてなのに、笑い上戸で割と気さく。

今日初めて会ったこの風変わりな男は、見た目とギャップが有り過ぎるな…。

だが、人を引きつける魅力はあった…。

「このドラゴンは、俺の好きなムエタイの選手が入れていた刺青なんだ。だから、ドラゴンを頭に入れた事に後悔はない…また話が逸れたな、話を戻す。こっからが銀次パワー炸裂なんだよ…」

俺が臨時マスターになった時は、16才だった…。

携帯を支給され、ライセンスを貰い、晴れて高校生地区のキングになった最初の仕事…それが。

レクレーションだった…。

「銀次さん…マジですか??」

「大マジだ!みんなで野球と焼肉をやる!!」

俺は意気込んでいたのに、拍子抜けをした…。

俺達は不良だぞ!?しかも札付きの。

ケンカならともかく、奴等がレクレーションで、集まるとは思えない…。