「物事には最低限のルールがある…法律を全て守れとは言わねぇ。ケンカ上等、酒上等、タバコ上等だ…。物事に逆らうのが不良の本質だからな!!だがよ…人として度が行き過ぎた行為は自分をダメにする…お前等はそんなクズじゃねぇだろうが!!ヤクやちんけな小競り合いで、自分をダメにしてんじゃねぇよっ!!」

最後の言葉を発した時…男は持っていたタバコを、素手で握りしめていた…。

暑さなんて全く感じて、いないみたいだ…。

「どうせ突っ張るならプライドを強く持て!!ケンカはタイマンが基本だ!!凶器何かに頼るんじゃねぇ!!負けるのは恥じゃねぇんだからよ…負けるより凶器何かに頼る方がよっぽどダセェよ!!…みんなで格好良い不良目指そうや!!弁護士になるよりよっぽど簡単だぜ!?」

男は人懐っこい笑顔で、ウインクをしながら最後を締めくくった…。

その場に居た連中全員の、心に男の言葉が響いた…。

言ってしまえば、男が言って言葉は説教…不良が一番嫌うフレーズばかり。

だがあの男の説教は理屈だけじゃない…ちゃんと言葉に感情が織り交ぜてあった。