その中の一人が、ナイフを構えながら男に特攻して行った…。

他の面々もそれに従って、男に特攻しようとしたんだが…急に足の動きを止めたんだ。

最初に特攻して行った奴が、宙を舞った事によって…。

話は簡単だ…ただ男がシャブ中に蹴りを入れただけ。

問題なのは、男の蹴りの質だ…。

スピード…速過ぎて目で追えない。

威力…蹴りが当たった時の音が尋常じゃない。

イコール…かなりの強さを誇っている男。

流石のシャブ中集団も少し黙り込む…。

上がりきっていたテンションが、覚めたんだろうな…。

中にはまだ男に襲いかかる奴もいたが、全員返り討ちにあっていた…。

10人…20人と倒されている。

足をふらつかせながら襲いかかってくる、チンピラなんて敵じゃないんだろう…。

男は無傷だった。

いくら正気じゃないとはいえ、凶器を持った人間と素手で戦うのは根性がいる…。

最悪死を覚悟しないといけないからだ…。

だが男は恐怖の表情なんて出していない…相変わらずの涼しい表情だ。

約半数の人間を打ちのめした時、シャブ中達の動きが止まった…。

「オラァどうしたテメェ等!!終わりか??文句がある奴はかかってこいや!」