「仕方ねぇよタケシ。今日はお前が一番頑張ってたんだからよ!!俺はしっかり見てたぜ」

少し凹んでいるタケシを慰めたのはヒサジ…。

俺は二人とは離れた位置で、ケンカしていたから解らないが、ヒサジの言う通りタケシは頑張ったんだろう。

闘志溢れるケンカが信条のタケシの事だ…フルスロットルで戦っていたんだろうな。

「そう言って貰えると助かる…」

タケシは恥ずかしいのか、頭をかきながらボソッと呟いた…。

そんなタケシを見て、俺もヒサジも思わず笑ってしまった。

当然笑われたタケシは、腑に落ちない顔をしていたが…。

すると今まで黙ってこちらの様子を見ていたドラゴンが、初めて口を開いた…。

「ヒサジ君だったよな??君に話があるんだ…ちょっと着いて来てくれないか??」

「ヒサジで良いですよドラゴンさん…それと何処に行くんですか??」

話かけられると思っていなかったヒサジは、少し驚いた表情をしながら返事をした…。

ヒサジの驚いた気持ちも解る…俺もこの町で色んな人間を見てきたが、ここまでインパクトがある人物を見たことがない…。

無駄な脂肪がついていない筋肉や、恵まれた骨格…。