途端に回りの空気が盛り上がり出した。

俺を張り倒したデブも優越感に浸った表情で回りの声援に答えている…。

ここまでなのか…。

まだゲンにもたどり着いていないのに…。

「無様だなハヤト…お前の力はそんなものか??」

人込みの中から黒いロングコートを来た人間が姿を表した…。

言わずとしれた武闘派集団のリーダー。

「ゲン…」

全く癖が無い長い髪の毛をオールバックに揃えたゲンがリュウを従えて立っていた…。


ところ変わってヒサジチーム…こちらの戦況はハヤトより悪かった。

特にヒドいのがタケシ…乱打戦を繰り広げていたせいで余計なダメージを食らいすぎたのだ。

口内を深く切ったのか口からは絶えず血が流れ出しており、吐血に近い出血量になっている…。

それに体力が限界に近いのか息が上がっており、フラフラな状態で立っていた…。

「タケシ…生きてるか??」

「まだ…まだイケるぜ…」

多分もう限界だろうな…声に張りが無い。

かく言う俺も疲れが出てきている…まだダメージは対して受けてないが、これからは解らない。

…段々パンチを躱し切れなくなってきたから…。