だが顎は人間の急所だ…少し足に痺れる様なダメージを受けた俺は思わず距離を取り、ダメージが抜けるのを待った。

「どうしたハヤト君!!もう疲れたのかな??」

ガンゼンは優越感に浸った様な顔つきで俺を挑発してきた…。

完全に調子にのっている。

この野郎が…ナメやがって。

俺はダメージが回復したところで攻撃を再開した…さっきと同じ様に低い体勢で踏み込む。

ガンゼンはさっきと同じ様に躱す動作に入る…だが俺もバカじゃない。

同じ鉄は踏まねぇよ。

一回の踏み込みで届かないなら二回踏み込むまでだ…。

俺はガンゼンとの距離を目測で読み、アッパーが届く位置まで更に踏み込む…そして地面に手をついて座っているガンゼンの顎に渾身のアッパーをくれてやった。

さっきも言ったが顎は人間の急所…半分座っている状態のガンゼンは俺のアッパーを何のクッションもなく顎に食らったのだ…。

ガンゼンは俺の一撃で完全に意識を手放した…。

やっと一人か…正直予想以上に厄介な相手だ。

集団で襲われたら俺に勝ち目は無い…勝つには勝ったが、俺は手の平で遊ばれてる感覚だ…。

でもやるしかない。

「次だ…さっさと来い!!」

これからが本番だ…俺の先が見えない戦いが始まった。