タケシもヒサジも唖然としていた…最初は少し話しをしするつもりだったんだろう。

俺もそのつもりだったけど…身体が勝手に動いたんだ。

俺は500人に向かって特攻を仕掛けた。

まだ準備が出来ていない連中の間を擦り抜ける様に走り抜ける…俺の目的はゲンとのタイマン。

一人一人やり合ってたらゲンにたどり着く前に殺られてしまう…俺はゲン目掛けて走り抜けようとした。

…がそう上手くもいかなかった。

デスのメンバーに目の前を塞がれてしまう。

「やはりゲンを狙ってきたか…だがお前はゲンまで辿りつけない。何故なら俺に勝てないからな!!」

誰だか解らないが俺に誰かが話し掛けてきた…顔は見た事あるけど名前は知らん。

だが邪魔をする奴は打ちのめすだけだ…。

俺は勢いに任せて飛び蹴りを打ち込んだ…。

だが目の前の男は、ダンスでも踊る様に上体を低くして躱してきた…。

まさかとは思うけどよ…。

「…カポエラか??」

テレビでは見た事あるけど、俺は初めて実物を見た…。

「そうだ!!俺の特技はカポエラ!!お前のケンカはこの前見さして貰ったが、お前じゃ俺に勝てない!!諦めな!!」

カポエラ野郎はニタニタ笑いながら独特なステップを踏んでいる。