俺は勢い良く起き上がろうとして、先生に肩を押さえられてしまった。

「落ち着いてヒザシ君!!サヨちゃんは生きているから!!…身体はね…」

身体は生きている??…じゃあ心は??

「先生…サヨは今どこに居るんですか!?会いに行かせて下さい!!」

早く…今すぐサヨに会いに行きたい。

「…解った…案内しよう」

「先生!!ヒサジ君はさっき目を覚ましたばかりなんですよ!?危険過ぎます!!」

看護婦が有り得ないとか言いながら先生を見詰めている。

「どうせヒサジ君は意地でもサヨちゃんを探しに行く。だったら僕たちが連れて行った方がまだ安心だ」

先生の言う通りだ。俺は意地でもサヨを探しに行く…。

「サヨちゃんの元に案内するよ!!車椅子を持って来て…」

看護婦さんが一度病室を離れて、車椅子を持ってきた。

俺は点滴を外してもらい、先生に押してもらいながら病室を後にした…。

サヨ…一体どんな状態なんだ。

俺は背中に嫌な汗を感じながら、サヨの病室に向かった…。

この病院はかなり大きくサヨの病室は違う病棟にあるらしい…。

俺はエレベーターを使って一階に降り、渡り廊下を進んでいた…。