「違う…俺は……」

解ってはいるんだ…でも…。

プライドが邪魔して言えない…。

「…ホントは私のこと好きじゃないんでしょ??……」

「違う…そうじゃないんだ……」

どう伝えればいいか解らない…。

俺は…人を好きになる気持ちが未だに解らないから…。

ただ言えるのは…。

「俺にとってマリコは…大切な人なんだ…危険な目にあわせたくないし、楽しんで貰えるなら出来る限りの事をしてやりたい…俺はこの気持ちが人を好きになる意味なのかが解らないんだ…だから…簡単には手を出さない…出せないんだよ」

俺は不良だが…ケンカは好きだが…みっともない生き方はしたくない…。

自分の中の自分像…大切な人なら気軽に手を出してはいけない…。

女は弱いけど…賢い生き物だ…。

不良は強いがバカな生き物…俺は頭が良くないから…せめてもっと強くなりたい…。

大切な人を守れるぐらいにな…。

俺はベッドの上で黙って泣いているマリコの隣りに座った…。

「マリコの納得出来る言い訳じゃ無いかもしれないけど…俺はもっと強くなる…マリコを正面から受け止められるぐらいにな…だからさ…それまで待っててくれ…俺にとって大切な女はマリコだけだからよ…」