俺は目をつぶってキスしてきたマリコの目をただ見ていたんだ…。

意外にマツゲ長いな…とか…女の唇ってスゲェ柔らかいとか…まるで他人事の様に感じた…。

時間にして数秒しかたってなかったと思う…。

マリコが急いで俺の部屋に入ってドアを閉めた…その時の音で今起きた事を初めて理解したんだ…。

俺は初めて『女』を意識した…。

今まで人生の楽しみはケンカだけだった。

それ意外の事に興味がなかった…。

酒もこの町の仲間も…全部ケンカに直結する関係…。

女とはケンカとは全く異なる存在…。

違和感…戸惑い…俺の理解の範疇を超えた事象…。

実はタケシがミカに恋してる事が理解出来なかったんだ…。

女は弱い…弱肉強食の世界において女は弱者でしかない。

だから女に恋をする…すなわち男が女に媚びる行為が俺には理解出来なかった…。

ただ強く…そして気高く…時に獅子の様な残虐さも必要…。

獅子はハーレムを争う時…オスの獅子はその時だけ重い腰をあげて若いオスライオンと戦うんだ…。

命をかけてな…。