彼女の名は、月宮志津(つきみやしづ)――。



四谷家と月宮家は、家が隣あっている。

その縁で、志津と晴興も、幼なじみのようにして、育った。

それなのに――……、

押さえきれない胸の内を、晴興は、もてあましている。