それだけでも、相手が只者でない証拠である。

その彼は、ただじっと晴興を見ていた。

「君は……誰……?」

晴興が問うと、少年は自らを

「紅耀(コウヨウ)」

と名乗った。

どうやら、言葉は通じるらしい。