晴興は、地面と同じ高さから、その光景をじっと見ていた。

彼の乗っていた戦闘機は原型をとどめることなく大破していて、みるかげもない。

何が起きたのかわからず、とにかく、起き上がろうとして――。

そこで、晴興は、ようやく、自分の両腕が――両腕ばかりでなく、おそらくは、全身が――血塗(まみ)れなことに気がついた。