昼寝の前に顔にかけていた濡れた手拭いは、今はもうすっかり乾いていて、ぱさりと小さな音を立てて、落ちていった。

蒸し暑い、田舎の夏。

「晴にィー、晴にィー」

ゆっさ、ゆっさ。

小さな手が、晴興の身体を揺する。

それでも、晴興は、寝たふりを続けた。