群の流れに逆流しながら、ただ、ただ前へ。

一歩でも、先へ。

それだけを考えて進んでいるように、思えた。

『少し、落ち着ける場所へ』

紅耀は、出発する前に、ただ、それだけを晴興に告げていた。