自分より一回り小さい紅耀の背に、赤子のように負われ、町を歩く。
全身をまだらに彩る血の緋色が嘘のように、痛みはなくて、自分の足で歩くこともできそうに思えたのだが、晴興のその案に、頑として首を縦に振らなかったのは、清花だ。
晴興も、思い詰めたように見つめられて、否やはなかった。
炎を避けて難を逃れてきた人々と、何度もすれ違う。
生気のない、瞳。
じりじりと、紅耀の踏み出す一歩ごとに、肌に迫る空気の温度が、高くなっていく。
全身をまだらに彩る血の緋色が嘘のように、痛みはなくて、自分の足で歩くこともできそうに思えたのだが、晴興のその案に、頑として首を縦に振らなかったのは、清花だ。
晴興も、思い詰めたように見つめられて、否やはなかった。
炎を避けて難を逃れてきた人々と、何度もすれ違う。
生気のない、瞳。
じりじりと、紅耀の踏み出す一歩ごとに、肌に迫る空気の温度が、高くなっていく。