晴興は、

夢と現実との狭間でまどろんでいた。



風邪を引くなど数年ぶりのことで、

頭に乗せた氷嚢が、

心地良いというよりも、

重たく感じた。



焦点のぼやけた目で、

天井を見上げる。



そうしていると、

いつも見慣れた木目模様が、

まるで違ったように見えた。



ぼんやりと滲んで、

不安定に『意味(イメージ)』をつくる。