やがて、彼女は、細い声で、答えた。

「うん……今なら、多分……」

「本当だな?」

「多分、よ。でも、まだ、白露酒(パイルーシュ)が効いているから……大丈夫、だと、思う……」

自信が無さそうに言う、清花。

それは、賭なのだ。

晴興は、一度は死にかけた――ついさっきまで生と死の狭間にいたのだから。

断言できずにいる清花を責めながら、紅耀にも、充分、わかっていた。

痛いほどに。