その晴興の答えを受けて、紅耀は、かすかに頷く。

「そうか」

安堵の声、だろうか。

だが、違和感が、残る。

「もう動かせそうか、清花(シンファ)」

紅耀が、抱いていた槍の穂先を、晴興に向けた。

清花と呼ばれた少女は、それを少し怒ったようににらんで、寸の間、考える。