「気分は、どうだ」

身にまとう気配はそのままに、紅耀が、言ってくる。

「痛みは、ないか」

じっと見つめてくる、視線。

晴興は、そこで、ようやく、自分が少女に向けている、不躾な視線に気がついた。

慌てて、頷く。

不思議なことだが、事実、痛みはほとんど感じていなかった。