「……あ……」

瞬きする晴興に、少女は、嬉しそうに微笑んだ。

「気がついた……」

それから、少女は、

「……良かった……」

そう言って、安堵の息をついた。

ぎこちなく、晴興の額に手を伸ばす。

晴興は、その腕を、ぼんやりと霞む視界の中で見ていた。