ですから、

貴露様の面影を強く残す、

貴男と共には、

参れません。



彼女は、

そう言って、

深々と、頭を下げた。



そして、

引き留める言葉も聞かず、

駆け去っていく。



彼は、

晴興は、

ただ、

その背を見送ることしか、

できなかった。