「速人さんとお店ではじめて会った時、私、すごくおっきな嘘つかれたのよね」


「どんな?」


「バツイチだって」


「オーマイガッ。それって重罪だよね」


ナツは笑った。


「でも、光さんのことは話してくれてたのよ。大事な子供なんだって。ただ…」


「ただ?」


「今は、奥さんに引き取られているから、なかなか会えないんだ、って」

「ぶ」

私は、ローズティーを吹き出しかけた。