「…俺、頼りないかもしれないけどなんかあったら話聞くから」


これくらいのことしか言えない。


それでもキミは笑ってありがとう!っと言ってくれた。



空は泣いてるより笑ったほうがいい。


空の笑顔は見ていてドキドキするけどなんだか落ち着く。




「空の夢は?」


俺は不意に聞いた。


「私の夢かぁ…」


空の声がだんだん小さくなった。


空には夢がないのか?



「…一度でいいから愛されたい」


予想外の答え。


なんかもっと保育士だとかパティシエみたいなそんな感じの夢かと思った。



空を見ると悲しそうな顔をしていた。





“一度でいいから愛されたい”




その言葉にはどんな想いが込められているのだろうか。



きっとその夢は空の何かを変えてくれる夢なんじゃないかって思った。