５…４…３…２…1……０……。


たった今私は、１人で２９歳の誕生日を迎えた。

今まではいつも彼氏と一緒に誕生日のカウントダウンをするのが恒例行事になっていた。




昨日私は、その彼氏に振られた。




『誕生日なのに………。』






―誕生日前日―



仕事が終わったすぐ後にカバンに入っていたケータイが鳴った。



♪～♪♪♪～♪


この着信音は、彼氏からだ！！



最近ちょっと距離があるような気がしてたからその電話が凄く嬉しかった。




『もしもし？』

『あっもしもし？』といつもと少し違うあの人の声が聞こえてきた。


『どぉしたの？』

『ちょっと、話したい事があるんだ……。今、会える？』


『うん。会えるょ？』

『じゃ、いつもの場所で……。』

『うん。』


いつもの場所というのは私達が高校生の時からある喫茶店だ。


私達は、高校生の時から付き合っているので１０年以上ある事になる。



会社を出ると外は、雨が降っていた。


いつもは、憂鬱な雨も久しぶりにあの人に会うと思うと少し輝いてみえた。




いつもの道を通って私は、喫茶店に向かった。