「じゃあ、一緒歌う?」




「へっ?」


「曲わ、夜のにおい。歌えないの?」


「いや、歌えます。ってか、一番好きな曲です。」

ほんとにびっくり。リステンダーズを知ってる人なんて、あたしの友達の中に1人だっていないのに…

3分の1の確立なのに、ここに…いた。
そして、マイナー中のマイナーの曲を今から歌おうとしてる。


そしてこれわ…あたしの一番好きな歌。


「えぇぇ!?俺も!好き!この曲いっちゃん好き!!」

どうやらびっくりしたのわ、あたしだけじゃないみたい。
さっきまでぼそぼそ喋っていた、沢北さんが目をかっぴろげて、大声張り上げてる。



「てかさ、お互い気に入ってる曲なら、一緒歌えよ~、時間ねぇんだぞ?」

さっきからみさきの横で黙っていた園田くんがそう言った。


一緒に歌うって……
あたし人の前で歌うのって好きじゃないんだけど…


「おぉ!歌おうぜ!!!!」

なのに、さっきとわ全然違う、子供みたいな顔で沢北さんに、手を握られて、しかも至近距離でそんなこと言われちゃったら……


「あたし…うまくないですよ…、それでもいいなら…。」