「た 太一!?」 母親のその一言に 今まで辛さがいっきに抜けたような気がした。 こんなに母親に 逢えて嬉しかった事はなかった。 さほど変わらない背たけだったから 母の年老いてたすがたが痛々しい 若林には 昨日の出来事だったが 母にしてみれば 30年以上たっていたから。 「母さん… 僕 ごめんなさい……」