その時、突然、けたたましく『迷子の子猫ちゃん』が鳴り響いた。





「ごめん、私の携帯だ……」


「個性的な着メロだね。ミチコらしいよ」


「サークルの友達からのメールは、この着メロなの……っていうかごめん。何か言おうとしてたでしょ」


「あ……うん。で、メール見なくて良いの?」


「あ、ごめんごめん」




携帯をバッグから取り出して受信したメールを確認する。



送信者は平田だった。


何かの間違いかと思って、三回も本文を読み直してしまった。




「ミチコ、どうしたの?なんか固まってない?」


ハジメが心配そうに言う。




「なんか、すごいメールがきたんだけど……」



「何?」



「友達が通り魔に襲われたって……」




メールには、真帆と吉川ヨシオの二人が通り魔に襲われて救急車で運ばれたと書いてあった。