オード卵の家に着くと、なぜか宴会が始まった。

一緒に炎を囲んで歌ったという経験が、仲間意識を芽生えさせたらしい。


数々の困難を乗り越え、ここに友情が生まれた。


私は盛り上がる三人を冷めた目で見ていた。


オード卵は意外なことに、料理上手らしかった。

手早くおつまみを作り、梅酒を振る舞った。


「平田、こんなふうに仲良くしてて良いの?」

私は尋ねた。


「何がですか」


「だって平田をあんな目にあわせたんだよ。パンツかぶせて写真撮ってさ。サボテンも投げられたし」


「罪を憎んで人憎まず、頭隠して尻隠さず、です」

平田はそう言って、尻を振った。


「平田……」


「オード卵君は確かに変態のストーカー野郎かもしれません。でも、その前に、一人の人間なんです」


「でも、気持ち悪くない?」


「僕もたまに気持ち悪いって言われます。だから、僕より気持ち悪い人を見ると、何だか嬉しくて……」


「そんな……」


「それに、僕のことを温かく受け入れてくれました。もう友達なんです」


平田は嬉しそうに言った。





その直後だった。





オード卵が、フライパンで平田の後頭部を強く殴った。

そして、そのどさくさで逃げ出した。