「本当に死んだのか?」


「ああ!燃やして放っておいたからな。後で見に行ってみたら、無くなってたぜ!燃え尽きたんだろ」


「バカ者!」

婆が叫んだ。


「ホームレスなんて、何の役にも立たないら、殺したって良いだろ!あはは」


「じゃあ、おまえだって何の役にも立たないから、殺して良いんじゃな……」



「オレは役にたつ!マジ使える男だからさ……」


ばしんっ

と、派手な音がして、こけしぼうやが吹っ飛んだ。


婆が平手打ちをしたのだ。



「おまえが火を点けたホームレスは、ワシの友達じゃ!残念ながら、二人とも生きてるがな!」


「ばかな……オレは殺した」


「燃え尽きたんじゃない。仲間が運んで看病したんじゃ。救急車で運ばれた者もいたな」


「くっ」


「頭の足りないこけしぼうやじゃな」


「くそっ」


婆は再び、こけしぼうやを小脇に抱えた。


こけしぼうやは、抵抗せずにぐったりしている。



「ミチコちゃん、ありがとうな」


婆はそう言って、ゴミ屋敷に入って行った。


あっという間の出来事だった。