「平田先輩、何か飲ませたら起きるかな。私、コンビニに買いに行ってきます!」


目黒さんは平田のカバンから財布を取り出して、小走りでコンビニに向かった。

しばらくして目黒さんが戻ってきた。


三つもビニール袋を持っている。


「何買ったの?」


「全員分の飲み物とおやつと、あとはストッキングとかシャンプーとかです」


なかなかのちゃっかりさんだ。


「じゃあ、平田先輩に飲ませてみます」

目黒さんはそう言うと、ペプシコーラの蓋を開けた。

「それ飲ますの?」


「多少刺激があったほうが良いと思って」


「おいらにも何か飲ませてくれよう」


「はい。オード卵にはこれ」

目黒さんがオード卵に手渡したのはワンカップ大関だった。


「まあ、いいや」

オード卵はそう言って、ワンカップ大関を飲み始めた。


そうしている間に、目黒さんは平田の顔面にペプシコーラを掛け始めた。



「ぼっふぉ!」


平田の意識が戻った。


「私、お手柄ですね」


目黒さんは得意げに言った。


「顔がべたべたします」


平田は消えそうな声で言った。






おやつを食べながら平田の体調回復を待っていると、婆が戻ってきた。


小脇に、何と、さっきの目つきの悪い少年を抱えていた。


「駅前のコンビニにいるところを捕らえたんじゃ」


婆が言う。

すごいパワーと行動力だ。

少年は、婆の腕の中で手足をばたつかせて暴れている。