「私は、反対……」


「なぜだい」


「ヨシオ君の唯一の手がかりだから……」


「真帆さん!こいつは吉川ヨシオには何もしていないって拷問で判明済みなんですよ」


「でも……ヨシオ君のことを知っている可能性、0では無いんだよね」


「確かにそうだな。絶対に無いとは言えない」


「私、ヨシオ君が見つかるまで、この人をここに捕まえておきたいな」


「良かろう」

沼袋部長は、部長らしく、仕切っていた。


「良かろうじゃなくて、おいらの縄を解いてくれよ!」

オード卵が言う。


「逃げ出して二度と戻らないかもしれないじゃないか」

沼袋部長が言う。


「おいらはそんな卑怯者じゃないぜ!」


「難しいところだな」


「とは言え、大学は夜閉まるし、熱いし、置いておけませんよね」

平田が言う。


「オード卵の家に監禁したらどうですか?」

目黒さんが言う。


ナイスアイデアだ。

「けっこう片付いてて、良さそうな部屋だったよ」

私は言った。


「よし。決まりだ」


沼袋部長は言った。