「で、オード卵をどうするかだけど……」


私は言った。


「どうしましょう」

目黒さんが少し嬉しそうに言った。


「僕達は怪我もしたが、もう良くなった」

沼袋部長は言った。


「まあ、そうですよね」

平田が言う。


「心の傷は残ったが、まあ、僕的には、恨みは無いよ」

沼袋部長は言った。

ずいぶんサバサバした性格だ。

こういう所が、多くの女の子に受けるのだろう。


「見たところ、随分ひどい目にあったみたいじゃないか」


沼袋部長はそう言うと、素敵な笑顔を作って、オード卵の肩に手を置いた。


オード卵は潤んだ目で沼袋部長を見つめた。


「このまま、逃がしてあげよう」

沼袋部長は言った。


「この人、私のこと、窓から落としたんですよ」


目黒さんが言う。


「おいらが悪かった!あやまるよ!」

オード卵が言う。


「でもぉっ」


「目黒さん、彼の顔を見てごらん」


沼袋部長が言う。


「なんですか」


「このひどくみすぼらしい男に、これ以上、どんな罰を与えたいと言うんだい」


「わかりました……。解放に賛成します……」


目黒さんは悔しそうに言った。


「ミチコ君も平田君も真帆くんも賛成で良いかな」


「賛成」

私は言った。


「僕も賛成です」

平田が言う。


「私は……」

真帆が言う。


「なんだい」