弟は、妙にふらふらした足取りだ。


「橘、酔ってんの?」


「ぜーんぜん酔ってない」


「本当?」


「ちょっとしか飲んでねーもん」


「っていうか、橘、未成年でしょ!?」


「ははは」


「大体、あんた、飲めるの!?」


「知らねーよ。今初めて飲んだんだもん」


「えー!」


「コップ一杯しか飲んでねーよ」


「日本酒でしょ!?強いよ」


「俺も負けずに強えーからさっ…………ぅぅ、きぼちわるい…」


弟はそう言うと、地面に倒れこんだ。


「ちょっと!橘!」


「吐きそう……」


「大丈夫!?」


弟は真っ青な顔をしている。


私は、弟をその場に残して、コンビニに走った。


こういう時は、2リットルくらい水を飲ませないといけないのだ。


コンビニまでは走ったら往復5分の距離だ。


すぐに行って帰って来られる。


コンビニで南アルプスの天然水のペットボトルを買うと、私はまたダッシュで弟のところへ戻った。


道路に寝そべっている弟を起こし、ペットボトルを渡した。