3人で話していると、男二人が近づいてきた。


鶴見ミツルとオード卵だ。

「ミミ、遅いと思ったらこんなところにいたのかあ」

オード卵が言う。


相変わらず黄土色のタンクトップだ。


「ヒヒヒ」

鶴見ミツルはへらへらと薄気味悪い笑みを浮かべている。


「初めまして!橘でーす」

弟が挨拶すると、鶴見ミツルとオード卵は、ぎょっとしたような顔をして弟のスーツを見た。


弟の薄いグレーのスーツは、すっかり斑模様に汚れていた。

屋外イベントにそんな服装で来るからだ。


「アレー。君、合コンで会ったミチコたんじゃなーい!?」


鶴見ミツルが甲高い声で言った。


「あはは」

私は笑ってごまかした。

私がハム研だということを二人はまだ知らないはずだ。


「あの時は盛り上がったよねー。なんかおごってもらっちゃって悪かったなぁー。あの不細工な子にさぁーって、こんなこと言ったら失礼か!ヒヒヒヒ」


鶴見ミツルのマシンガントークだ。

その話題で盛り上がると、ぼろが出そうだ。

私はあわてて話題を変えた。

「ミミさんっ、腕、大分良くなったんだね!」


「あっはい……。まだ少し痛みますけど」


「お大事にねっ」


「さっ。ミミ、行こうぜ」

オード卵が橋本ミミの肩に手を添えた。


ミミはまんざらでもない様子だ。


「ミ、ミチコさん、私、戻ります」

ミミはそう言って二人と一緒に去っていった。


沼袋部長に負けず、ミミも気が多い人だ。