ミミはタンクトップにジーンズを合わせている。

今まで見たことのないようなカジュアルな服装だった。

「ミミさん、こんなところでどうしたの?」


「リ、リス研の夏のイベントなんです」


「夏のイベントって?」


「は、花火とバーベキューです。ミチコさんは何してるんですか?」


「いろいろあって、ホームレスとパーティしてるの。弟も一緒だよ」


「弟さん?」


「うん。紹介するよ。橘ぁー」


呼ぶと橘は飛んできた。


「こんばんは!橘でーすっ」

弟はそう言うと決め顔をした。


「ま、まあ。素敵な弟さんですね」


暗くてよく見えないが、多分ミミは顔を赤らめてそう言った。


「へえ。君がミミちゃんか。噂通り可愛いね」


「キャッ」

ミミは顔を手で隠して恥ずかしがっている。


手首には小さな湿布が貼られている。

前見た時は包帯だったから、大分良くなったのだろう。


精神的にも調子が良さそうだ。


「クラリネット、超うまいんでしょ。今度聞かせてよ」


「キャっ」


ミミはすっかりご機嫌だった。