沼袋部長と……橋本ミミだ。

沼袋部長は、へらへらと笑って頭を掻いているが、ミミは何となくふてくされたような顔をしている。


目黒さんは、ベッドの前で、猫の威嚇のようなポーズをとって、ミミを睨んでいる。

「あれ。ミミさんも呼ばれてたんですか?」

平田が言う。


「あれっ。ミミ、急にどしたの?」

山嵐ノゾミが言った。


何やら気まずい雰囲気だ。

「わ、私は呼ばれてません……。でも、ぬ、沼袋さんのつ……付き添いで……」

ミミは泣きそうになりながら言った。


「いやはや、どうしても送るって聞かなくてね」

沼袋部長が言う。



これは気まずい。


「や、山嵐先輩のおうちに行くなんて知らなくて……。なんで……っていうか……ごめんなさい」



ミミはそう言うと、一人でドアの外に出た。


沼袋部長は、あわてて後を追った。


何を思ったか、平田も二人の後を追いかけた。


山嵐ノゾミは苦虫を噛み潰したような顔をしている。


残された3人……私と目黒さんと山嵐ノゾミは、なんとなく微妙な感じだった。


さっき程ではないが、気まずい。