翔の様子の変化だって全然わからなかった。

どんどん…遠くなっていく。

翔があたしの前からいなくなっていく。

距離が…もう届かないくらい遠い。

本当に翔が離れていく…

「なぁ、ミホはこのこと一度も翔から聞いてなかったのか?」

裕也が言った。

「あ…うん。あたし、もう翔と全然喋らないことになってて…」

「喋らないってどういうこと?」

大友が聞く。

「絵美が、嫌がるからって翔が…」

あたしはすこし笑った。

今笑わなかったら泣きそうだったからだ。

「お前は…それでいいのか?」

「わかんない…。」

それでいいのかな?

でも翔の言ったことを拒むことなんて

拒むことなんてできない…。

「あたしが言ったってどうにもならないし…絵美と翔は付き合ってるんだから、しょうがないよ。」